昔ながらの「臼」と「杵」で作った懐かしいお餅 髙木園 -静岡県掛川市-

私の実家では、お正月を迎える少し前になると「今年は何臼?」と必ずこの何臼という言葉が耳に入ってきたものです。大晦日の早朝から餅つきの準備をはじめ、一晩水に浸したもち米を炊き、それを臼に入れると大人2、3人が「搗き手(つきて)」になり、搗きながら餅に水をつけたり臼の中の餅を返すたりする役目の「返し手」が息を合わせ、大人が何人か交代で餅を搗き上げます。この作業で特に大切なのは、臼の中に投入されたもち米を、杵を使って「きめ細かく粘るまでいかに早く練り上げるか」。これで餅の美味さが決まるといってもいいかもしれません。この作業が雑だと米の粒が残ったままになってしまい、粘りが少ない餅になったりしますから、「素早く丁寧に」が味の決め手になります。

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次に杵でこねた餅を更に粘りを出すため、真上から振り下ろすように餅の真ん中を目がけて大人2、3人がペッタンペッタン。その合間に、手の平を水で濡らした「返し手」が、餅を返しながら搗きあがる状態(粘り具合)を確かめます。頃合い良くできた餅はかなり高温で、それを硬くならないうちに女性たちが餅の形にしていきます。この時できたばかりの餅に、摺り下ろした大根に醤油を混ぜたものをぶっかけて食べるとそれはもう美味しくて美味しくて、いくつもの餅を搗き、くたくたで汗だくの体が一気に復活する、正月前の楽しみのひとつです。

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もう何年も前のことなんですが、お正月が近づくと今でも鮮明に親せき一同がひとつになってわいわい言いながら餅つきをした思い出が蘇ります。その「臼」と「杵」で搗いたお餅こそ、これから紹介する主役です。

 

お送り下さったのは静岡県掛川市の髙木園さんから。お話しを伺うとご近所の人から「まだ臼と杵で搗いているの?」と言われるそうで、それもそのはずで普通は餅つき機を使うケースが多い中、昔ながらの人の手のみで餅を作っているわけですから、この一連の作業を知る私からしてもそれはそれは大変な作業です。この餅製造を主に120年以上といいますから、伝統というより使命としか考えられませんし、国内でも希少なお餅に違いありません。

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お餅に使うもち米も自家栽培で、農薬散布50%削減のもの。餅を搗く際「練り」「小搗き」「本搗き」「ならし」の4つの工程で丁寧に搗きあげます。出来上がった餅は鮮度を維持するためと水分を保つために急速冷却され、調理時に熱を加えると搗きたての状態に戻るそうです。

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120年以上に渡り、臼と杵を使った人力の餅搗き製法で作られた餅、これから食べてみたいと思います。

 

「杵つき餅」

到着し、初めて食べた日が元旦の朝でした。縁起よく今年一年の健康も願い、初めて口にしたのが髙木園さんのお餅です。コンロで焼き、表面にやや焦げ目をつけ、それを御雑煮にしました。祝箸で餅を掴み口へ運ぼうとすると、ビヨ~~ンとすごく伸びるんです。市販の餅だとすぐに切れてしまいますが、そうではなくとにかく柔らかく伸びるんですね。口に入れ2,3度動かすと粘りがすごくて、甘いのにこれまたびっくり!それに出汁の効いた暖かい汁と相まって、まるでシルクを連想させ、とろける食感も魅力的。名産地のお米がそのままお餅になった感じで抜群の美味しさに驚きは隠せません。

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次に焼いたお餅に醤油をつけて食べてみました。外側を手で割れ目を作り、そこへ醤油をかけてみたんですが、口に入れる前にまぁよ~く伸びること!

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柔らかく甘くて、本来あるべき昔から食べられてきた餅の美味しさとはこれかな、という素直ささえうかがえるほど。これはまだまだ他の食べ方で試してみたいとすぐに思いました。

 

「よもぎ餅」

よもぎ餅を見ると「あ~大変だっただろうに」と昔餅つきをした時のことを思い出します。

というのもよもぎを臼に入れ杵でとにかく細かく粘りがでるまで臼の腹に力を入れて杵でこすりつけるようにしないともち米とうまく混ざらないからなんです。この作業が搗きあげる中で一番きつかったことが今でも思いだされるんです。

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そんなことを思い出しながら焼いたよもぎ餅にきな粉とこし餡をたっぷり!よもぎの香りがプ~ンと鼻を霞み、きな粉や餡に柔らかい餅が絡み合う瞬間、これは癖になります。だってご飯より美味しいんですもの。

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「市販の餅とは全く別物」まずすごく伸びること!伸びるということはよく搗かれている証拠で、それをいったん口にすれば、毎日のご飯をも凌ぐ柔らかさと甘さと食べやすさが実感できます。

 

ぜひ比べてみてください。本当に美味しい、懐かしいお餅ですよ!

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