私が中学生くらいまでだっただろうか、梅の花が咲く頃になると祖父と一緒に竹藪に行って筍(たけのこ)をよく取りにでかけたものです。枯れた竹の葉や折れた木の下と地面の間に足を刷り込ませ、少し地面が盛り上がったところにスコップを入れて堀り上げます。採れたての筍の皮を剥き、竈で沸かした大きな鍋で茹でる。食べやすいサイズにした筍をごま油で炒めて、砂糖と醤油で絡めた味は祖父との思い出の一品。
今回お送り下さった筍は静岡市の「春筍ファーム」の石川さんから。先に言っておきますが、頂いた筍を食べた瞬間、もう懐かしくて。というのも田舎育ちだったし、時期になればいつでも食べられるから、という理由で旬の筍から遠ざかっていた自分に気付かされたのです。味も何もかもあまりにも飽いてしまっていた自分が石川さんの筍を食べた時、こんな味だった、こんな食感だったなぁと数十年前に亡くなった祖父の顔を思い出しました。
富士山を望む絶景の地、日本平有度山の麓で筍栽培に情熱を注ぐ石川さん。山の管理、整備を徹底し、有機堆肥を使った栽培方法により、他では味わえない筍を作っています。竹の間伐、下草刈りを入念に行った竹林は、時期になると筍が土から先端をのぞかせようとします。すぐに採らないとあっという間に竹になってしまいますから、旬を迎えると休む暇もないくらい筍の収穫が続きます。
さて届いた筍は3種類。皮が付いたまま真空パックに入れたものとメンマ、水煮。石川さんから「メンマはフライパンで焦げ目をつけて食べてみて」と教えてくれて、実際やってみると「おぉ~なんじゃこりゃぁ!」でした。
「コリッシャクッ」と耳に響く歯ごたえと共に舌をいじめてくる絶妙な加減の味。どうしてこんなに美味しくてビールに最高のアテを知らなかったのか?ラーメンに?いやいやそれもいいけど、これは酒のつまみですよ!!
「有度山極みの筍」
皮を剥いでカットし、出汁や醤油等の合わせ調味料で炊いてみました。エグミもなくシャキシャキしてて、ご飯のおかずによく合います。市販の水煮や缶詰と違い、味や香り食感は別もので、味に豊かさを感じます。
「筍」は専門の生産者から!日本平の麓から届きます。ぜひ違いを確かめてみてください。
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