伝統文化「流しびな」が残る町の名物「アンコロ」 川のhotori用瀬 -鳥取市用瀬町-

ここ最近、幼いころから馴染みのあるお店や古くから親しまれてきた名物が時代の流れで無くなってしまうことが増えてきました。買っちゃって王のオフィスがある大分県も古い町並みにあった和菓子屋さんや、テレビのCMで流れていた老舗のお菓子が突如なくなるというとても残念なことがありました。でも県民から愛されていたそのお菓子は、復刻を目指し、その味を受け継いで蘇り、現在お土産やお茶菓子の定番として人気を馳せています。

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今回紹介するのもそんな復刻を果たした田舎町の逸品です。これから紹介したいと思います。

その逸品「アンコロ」といいます。流しびなの里として全国的にも知られる鳥取県八頭郡用瀬町(もちがせ)で生まれた名物のひとつで、智頭往還(上方往来)の宿場町として栄え、江戸時代に「お前在所はいずくときけば、父は用瀬お茶師さん」と茶もみ歌にうたわれ、因州きっての茶所として知られていました。
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大正初めには鳥取駅と結ぶ鉄道が開通し、交通の要所として発展。この頃、特産品で売られていたのが「アンコロマンジュウ」で当時、製造する菓子店が何軒もあり「用瀬名物」として有名になっていました。ところが近代化が進み、人口が減少。ついにアンコロもその姿を消してしまったのです。「名物をなんとかしたい、町の活気をとり戻したい、賑わいを呼び込みたい」と2016年に古民家をリノベーションし「カフェ川のhotori用瀬」をオープンさせたのがアンコロをお送り下さったオーナーの山根実さん。かつて活気のある町の象徴としてその名が知られていたアンコロを復活させようと、昔作っていたお年寄りからリサーチしたり、町の資料を読み漁り、形や製法を学び、やっとの思いで復活。小粒に丸めたあんを寒天の極薄の皮が包み、見た目の可愛らしさから、アンコロを食べた町の人たちは「可愛らしく、口当たりもよく食べやすい」「食べ応えがある」ととても喜んだそうです。

さてそのアンコロ、食べてみたいと思います。(冷凍で送られてきますので、食べる前に冷蔵庫で自然解凍)
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箱を開けると現れたのは黒、白の餡に包まれた可愛らしいアンコロ。目を近づけると、丁寧にひとつひとつ丸め、大きさと形を均等に整えて作られた田舎風の団子がコロっと覗かせます。先に黒い餡のアンコロを小皿にとりわけ、少し割って口へ運ぶと、餡が今にも溶けそうな感じで舌の上をすべり、2,3回口を動かすとほんのり甘さが広がります。
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そうですね例えるなら、口の中で溶けながら楽しむチョコレートがチョコではなく丁寧に裏ごしをされた餡がじんわり溶けるといった感じです。しつこくなく、自然な甘さと柔らかさから優しさを感じさせてくれ、食べているうちにお茶がほしくなります。
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もうひとつの白い餡のアンコロも寒天の薄皮で包まれた中の餡がとても美味しくて、くちどけの良さから休むことなく続けて食べてしまいたいほど。
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求肥を入れて丸めたあんを、寒天の薄皮でくるんだアンコロ。懐かしい味わいの中に丁寧に作られたことがわかる味わいでした。紅白のアンコロもいただいたのですが、これは祝い事に喜ばれそうです。子供から大人まで、アンコロはきっと懐かしさと笑顔を運ぶ古の味として日本の心を垣間見る素晴らしい逸品でした。

お買い物は買っちゃって王カートから

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