その旨さ格別なり。1864年創業「魚すき」で知られる丸萬の鯛めし-大阪市住吉区-

今回紹介するのは簡単に語ってはいけないのでは?と震えるほどの長い歴史と伝統の老舗の逸品から生まれた「鯛めし」。おそらく買っちゃって王で初めてと思いますが、1864年創業というと150年以上の歴史があるわけで、先人が作った味を残し、工夫を重ねたものに違いないでしょうし、ここはお店の歴史から紐解いてみたいと思います。

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1864年というと池田屋事件(長州藩・土佐藩などの尊王攘夷派志士を、京都守護職配下の治安維持組織である新選組が襲撃した事件)があった江戸末期。そのころ初代店主の飯井藤吉が能登(石川県)から大坂へやってきて開いたのが丸萬の始まり。

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武士をやめ、大坂で店を開こうと決意した藤吉が訪れた瓢箪山稲荷神社(東大阪市)で辻占をし、「西のにぎやかな場所で商売せよ」とのお告げを受け、戎橋の南詰に店を構えました。またその辻占で盆に饅頭を載せた人が通ったので丸萬という店名に決めたという伝説があるそうです。

 

名物「魚すき」は、五代店主の後藤市蔵、六代店主の武美によって完成したもので、その苦心によって極められた「魚の臭みを感じさせないだし」による魚すきが浪速の名物として定着。昭和4年に戎橋南詰の店が洋館に建て替えられ、この建物は大阪ミナミのシンボルとなり、さらに賑わったそうです。

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平成8年(1996年)に七代店主の死去により後継者がおらず、魚すきの伝統が途絶えそうになりました。そのとき、七代店主の弟で画家である現在の店主、八代 後藤隆平が店の再開に乗り出しました。鰻谷で六代店主の父親を手伝っていたため味を熟知しておる隆平は「自分が元気なうちに復活したい」という強い思いと、再開して欲しいという常連のお客様からの熱い要望を受けて、11年ぶりに大阪名物「魚すき」の店「丸萬本家」を復活させ、浪花歴史の受け継がれた味を堪能できます。

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さて、今回のお取り寄せは魚すきに使われる秘伝のだしを使った丸萬独自の”鯛めし”です。冷めても味や風味は変わらずお召し上がることができますので、御自宅やお土産に、御贈答にと人気の一品です。

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では早速いただいてみたいと思います。

開封すると冷凍された6個の丸く小さい器の姿が確認でき、手で持って食べるのに丁度いいサイズ。500Wのレンジで2~3分温めればできあがりです。

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蓋を開けるとふんわりと出汁の効いた香りが漂い、呼吸をする度にこの香りが鼻から舌の付け根に伝わり、早く食べたいと焦ってしまうほど。

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目の前にはホロホロと解された鯛の身、その下に伝統の魚すきの出汁の色が染み込んだであろう炊き上がったお米からは粘りを感じ、艶やかな輝きを放っています。湯気立つ鯛めしに箸を差し込むように入れ、サッと持ち上げ、口に運びます。すると何処となく懐かしく、昔の香りと味があることに気付かされます。

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魚臭くなく、モチモチとした食感、優しく舌を包むような出汁の豊かさ、そして時折ツンと後を引く山椒の香りが後を引きます。「これが伝統の味なのか」決して真似のできないシンプルでありながら奥が深い鯛めしは、心を落ち着かせてくれる日本伝統の味を言っても決して過言ではないと食べ終わり間際に思いました。

 

調理専門の学校を卒業した“新人”買っちゃって王スタッフの感想

 

伝統料理の魚すきのだしと秘伝のたれを使いシンプルなのに上品に仕上げた味でした。

口に入れた瞬間に優しいダシの味と鯛の香りと風味、山椒の爽やかさが広がり、驚いたのが冷めても美味しくまったく旨味、香りが逃げていないこと。

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これが古くから伝わる伝統の味なんだと痛感しました。さらに少なからず作ってから時間が経つと風味が薄くなってしまいがちなのですが、食べる人が満足出来るようこだわっているんだと感じました。初めて試食をした鯛めしは一度食べると間違いなくまた食べたくなるほど記憶に刷り込まれたようです。

 

社会で習った歴史と違い、古の昔から伝わってきた本物が自宅に届くというのもなかなか乙なことではないでしょうか。お昼に夕ご飯にテーブルの上の鯛めしはきっと話題を掻っ攫ってしまうことでしょう。また冷めた鯛めしを思い切っておにぎりにしてご主人に持たせれば次の日もとリクエストされそうです。

 

お買い物は、買っちゃって王カートから。

 

 

 

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