ごはんにお酒によ~く合う富山の郷土食「こんかにしん」あゆみ商店

「こんかにしん」

おそらく初めて聞く方もきっと多いと思います。「こんかにしん」とは富山県の郷土食のひとつで北海道産のニシンを糠で付け込んだものです。「こんか」とは糠のことで、北陸特有の言葉のひとつ。スライスをしてそのままでも、軽く炙り香ばしく食べたり、お酒のアテに実によく合うんだとか。

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「へしこ」と似ていますが、冬が長い北陸方面では古くから漬け物の技術に優れ、糠漬けは冬場の保存食のひとつ。昔から米作りが盛んで、その米からでる米糠を使い作られたのがこんか漬け。普通の漬け物と違い、発酵させることで魚の栄養、乳酸菌が摂取されることから、古くから生活に欠かせない栄養満点の保存食。手間暇がかかることから、今では高級な珍味として注目されているそうです。

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今回「こんかにしん」をお送りくださったのは、『金沢のあゆみ商店』の代表・広野さんから。2021年の5月にオープンし、お母さまが作るこんかにしんのレシピを引き継ぎ、地元や県内外へ向け、こんかにしんをはじめ関連商品を販売中です。

 

あゆみ商店さんのこんかにしんの材料で最も大切な「ぬか床」。このぬか床が味を決めると言ってもいいくらいで、ぬか床の作り方は企業秘密なんだとか。こんかにしん以外に糠だけでも美味しいため、ぬか床のみの販売も行ったり、ご自宅でこんかにしんを作れるようにぬか床、容器、作り方の説明書を付けて販売もしています。

 

富山のおいしい水で育った米からできた糠と糀の床に、北海道産のにしんを漬け、数ヶ月熟成させてつくられた「こんかにしん」。これから実食してみます。

 

袋を開封すると食べやすいサイズにカットされ、糠によく染み込んだにしんが姿を現しました。発酵の度合いがいいのでしょう、香ばしく少し甘い香りがします。お皿に並べていると「これは箸でヒョイとつまんで口に運んで酒で流し込めそう」と酒好きな私はすぐに連想。

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口に運び2~3回咀嚼すると「うわっうまい!何コレ!」この時点で即酒のアテに仲間入り決定です。やや小骨があるものの、サンマを食べる時と同じ感覚でOK。その味は不思議なことに、甘辛いのにそこからふんわり溢れてくるような脂を感じます。

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このまったり感はにしんの良質な脂のせいなのでしょう、奥が深く、これ魚?と思わせるほど独特な脂が混ざり合い、とろみさえ感じる塩味・濃厚・まったりが同時に味わえます。北陸の酒も美味しいですから、きっと「こんかにしん」をアテに呑んでいるのかと思うだけで、今夜から暫く「こんかにしん」で一献。

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次にカットされていない「こんかにしん」をアルミホイルの上に置き、コンロで2~3分炙ってみました。焼き魚の感覚でよいのですが、焼き過ぎないよう、やや焦げ目がつく程度でいいと思います。いい焼け具合の「こんかにしん」の真ん中あたりから箸で持ち上げると、糠によく染み込んだ身が姿を現し、迷うことなく口に運ぶと「あ~たまらん♪」塩気と発酵から生まれた自然の甘さ、それに香ばしさのオンパレード!甘めの焼酎か日本酒で流し込みたい!

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「こんかにしん」はそのままでもご飯の上にのせて、酒のアテとして間違いなく美味しくいただけますが、そうめんやピザ、パスタのトッピング、サラダ等アレンジを加えれば、いつもと違うアクセントになり楽しみ方も変わるはず。また、「こんかにしん」に纏った味噌は使い道が多くありそうで、焼き魚、焼いた鶏肉、焼肉のタレに合わせたり、きゅうりや人参につけたりしても美味しくなること間違いありません。

 

こんかにしん、初めて食べましたが、こんなクセになるような発酵食品と出会ったのは久しぶりです。今や自宅にいながらご自分の携帯からポチッと簡単に注文できますから、酒のアテや毎日のおかずにがマンネリしていたら、これは食べてみる価値大アリですよ!

 

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