三百年の伝統と技、京都上賀茂特産「すぐき」 池田農園 京都市北区

「すぐき」

桃山時代、上流階級の贈答用に作られていた「すぐき菜」は上賀茂神社の社家秘伝のものでした。そのすぐき菜はお漬物として親しまれ、今もなおその製法・技法を守り伝えられ三百年を超えます。

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京都は古くからお漬物の生産が盛んで、夏野菜を刻んだ赤紫蘇の葉で塩漬けにした「しば漬」、聖護院かぶらを薄く切って昆布と漬け込む「千枚漬」、そしてこれから紹介するすぐき菜を伝統的製法で乳酸菌発酵させた「すぐき漬」を合わせて京都三大漬物と呼ばれています。

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今回「すぐき漬け」をお送りくださったのは江戸後期創業の「池田農園」さん。

夏場は京野菜として数えられる賀茂ナス、冬の寒い時期にすぐき漬けを生産しています。11月になると生産農家の庭先では収穫したすぐき菜がうず高く積まれる光景を見ることができます。ikedanoen_3

すぐき菜のかぶらの皮を包丁で丁寧に剥ぎ取り、真っ白になったすぐき菜にたっぷりの塩をふり、重石をかけ巨大な樽で一晩荒漬けされ、その後本漬けの作業で最も重要な「天秤押し」という上賀茂特有の製法で長さ3~4mの丸太ん棒の先に重石を括り付け、テコの原理で圧力を加えていきます。その際大きな着け樽の蓋から溢れる塩の華が咲き、上賀茂の冬の風物詩として親しまれています。次に約40度の温度になる室(むろ)に入れ乳酸菌発酵をさせます。ここですぐき漬け特有のほのかな甘み、酸味を持ち合わせたさっぱりした味が生まれます。

 

「乳酸菌ラブレ」

この工程を得て送られてきた池田農園さん手作りのすぐき菜には美容・健康に良い効果が期待できる「乳酸菌ラブレ」が含まれていて、池田農園さんのすぐき菜から培養された「ラブレ菌」を使い某有名メーカーから商品化されたそうです。おそらくCMやスーパーで乳酸菌ラブレやラブレ菌の文字をご覧になったことがあると思いますが、その効果にいち早く着目した大手企業さんってすごいですよね。

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さてこれより試食しますが、当然目の前にはご飯、そしてお酒の相手にもお勧めということですので、お風呂上りのビールのアテにも使いたいと思います。

 

包装されたすぐき菜を水でサッと洗い葉茎とかぶらを切り離し、かぶらを縦半分に切り、約3mm程度の厚さで切ります。葉茎も食べられますのでみじん切りにして添えます。(お好みで醤油を少々)

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池田さん手作りの伝統のすぐき漬け、口に運び2.3度噛んでみるとそこから溢れるほのかな甘酸っぱさと心地よい香り、噛むほどに感じる酸味が食欲をそそります。パリッコリッと歯ざわりよくリズムカルにご飯と一緒に食べていると、どことなく懐かしく、噛みしめるごとに旨味と酸味が広がりご飯と一緒に食べたくなりますから、メインはおかずではなく、すっかりすぐき漬けだけで茶碗一杯のご飯を食べてしまいます。これぞ和風、伝統と技が成す逸品です。昔は現在のような食文化ではないはずで、お腹によいものを自然に食べていたわけです。すぐき漬けが作られるようになり、乳酸菌が豊富に含まれているとわかるまでの間、果たして何年かかっただろうと思うと、我々日本人は質素でありながら太古の昔から健康食を食べていたんだということになります。この歴史、伝統食は絶やしてはいけないですね。

人工的に作られてものではないんですから。ikedanoen_7

当然、この酸味はビールや焼酎に合いますが、葉茎もすごく美味しいんです。細かく刻んで醤油を少々、そのままご飯に混ぜ込んで食べるのも美味しいですし、刻んでごま油と胡椒で炒飯にしてもいいかもしれません。

 

池田さんの無添加・すぐき漬けはお茶請けにもご飯にもお酒にも「合います」。ご自宅で是非、京都古の食を食べてみませんか。

 

ご注文は、買っちゃって王カートから。

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