私たち日本人は麺の食文化が古くから根付いていますが、麺にはいろんな種類、特徴、技法があってその地域や店舗によって同じものがないと言っていいほど。それぞれがこだわりの技でこしらえる麺が全国に数多くあります。中でもラーメン、うどんは使われる粉や水、熟成具合、太さや長さでその違いは明らか。もちろん蕎麦もパスタも様々な種類があります。
今回紹介するのは長野県飯田市の操業明治30年という老舗製麺所「丸五製麺店」さんから数種の麺を送っていただきました。箱を開封すると「うわっ」と声を出してしまうほどの種類の多さとパッケージから明らかにオリジナルと思われるものまでラーメン、焼きそば麺、うどん、そば、パスタに至るまでもう見ただけでもおなか一杯になってしまいそうです。
創設当時、乾麺の製造から始まり、今では学校給食のソフト麺や全国に発送可能な贈答用まで時代のニーズに合わせた製麺作りに力を注いでいます。受け継がれてきた製麺技法にこだわりの原料から生まれる生麺の数々は「美味しい」と評判なんだとか。
麺は手軽であって家庭的で美味しいものとして捉えているのが私の考え方なんです。あとはご自分好みの卵だったり、チャーシューなどを入れてチャチャッと作るだけ♪これから3種ほど丸五製麺店さんの麺を食べてみたいと思いますが、どんな特徴なのか自分なりに確かめてみたいと思います。
まずは本格専門店の味「生ラーメン」
袋のデザインから歴史を感じさせてくれます。麺を別茹でに、醤油スープに香味脂を器に入れ、その上からお湯を注ぎスープを完成させ、麺の茹で時間は2~3分でOK。
割り箸で一口分のストレート麺を口の中へズズッ・・・ムシャムシャ・・・これはオイシイ!
シコシコ、ツルツルっていう表現がぴったりだと思います。それにとっても優しくて心地よくススって食べることができます。
食べ終わって「この麺は醤油ラーメンに合ってるな」でした。多分ですが、とんこつの濃いめのスープよりさっぱり系のスープに合わせられるストレート麺だと思います。
とっても気になる「部活ラーメン」(つけ麺)
パッケージに信州名産粉豆腐入りなんて書いてます。こりゃなんだ?ってことで一番食べてみたいとすぐに思い立ったのがこの「部活ラーメン」なるもの。
元気な部活世代にという思いから、食べやすいつけ麺タイプを完成させたんだとか。そもそも粉豆腐とは高野豆腐の粉のことのようで、それを麺に練り込んだ」麺だそうです(飯田女子短期大学ご当地グルメ研究会監修)
さてその味はというと、本格的つけ麺が自宅でもできた!です。縮れた麺が実によくつけ麺のタレを持ち上げてくれ、口に入れて2、3回噛んだだけでもう箸が止まることなく、辺り構わず麺へまっしぐら。
コシのある歯ごたえ、風味が粉っぽくなくてふんわりと高野豆腐の香りが噛むほどに表れてきます。こんなタイプの麺は初めてで、よく考えたなぁとズルズル言わせていること約3分、あっという間に完食ナリ!加速が付くつけ麺でした。
生パスタ
麺のサイズが違う2種類。2つともフィットチーネと書かれています。そもそもイタリア語でフェットチーネとも呼ばれますが、小さなリボンという意味でイタリアン等のお店では普通にあります。
原料の小麦は硬質種の小麦を粗挽きにしたデュラム・セモリナで本場イタリアではこのデュラムセモリナ100%のものしか、乾燥パスタとして販売してはいけないという法律があるそうです。
約1分茹で、ミートソースで食べてみました。
双方とも小麦の風味がよくて、細い麺の方が早く小麦感が感じられ、平たい方は同じ感じの中に面積の分やや重さがあります。
双方ともモチモチしていてミートソース以外でもきっとおいしく食べられるはずです。乾麺と違いまともにほどよい麺の旨みが目の前にあるんなんて「ここ日本だよね」・・・瞬間イタリア~ンのひとときでした。
どれも優しいんです。フィットするというか、安心して食べられる家庭的で、とても食べやすい麺。しかも、食べた麺すべてがそう感じてしまうから不思議です。よくラーメン屋さんとかうどん屋さんで「うちのは麺が違うから・・・」なんていうところもありますけど、個人差はあるかもしれませんが、気持ちの中に自然と刻まれて、ホッとする麺なんてそうは見つからないと思います。固いとか腰がいいとか、そうではなくて、食べてて素直な気持ちに優しく語り掛けるような麺の旨みこそが、私たちが望んでいる美味しさではないでしょうか。丸五製麺店さんの麺の数々、麺が好な方はもちろん、お店で使ってみたいご店主様も、ぜひお試しください。
お求めは、買っちゃって王から!